ダチョウ

ダチョウとは、現存する鳥類の中で最大の大きさを誇る飛べない鳥です。アフリカの草原や半砂漠地帯に生息し、体高は2.5メートル、体重は150キロを超える個体もいます。翼は飛行には使えませんが、バランスを取ったり威嚇に利用されます。走る能力に優れており、最高時速70kmに達する脚力を持ち、外敵から身を守ります。また大きな目と優れた視力で周囲を警戒し、群れで行動する社会性も特徴です。人間との関わりも深く、卵や羽毛、肉が利用され、観光や農業でも重要な存在です。

ダチョウは鳥類の中でも 走鳥類（Ratites） に属し、飛ぶ能力を失った大型の鳥です。走鳥類にはダチョウのほか、エミュー・ヒクイドリ・キーウィ・レアなどが含まれます。これらは共通の祖先から分かれたと考えられ、約6000万年前（中生代後期～新生代初期）には、すでに飛べない鳥の系統が存在していたとされています。

ダチョウ自体の系統はアフリカで進化し、現在の 現生唯一のダチョウ属（Struthio） として残っています。かつてはヨーロッパやアジアにも分布していましたが、氷河期以降に生息域が縮小し、現在は アフリカ大陸のサバンナや砂漠地帯 に限られています。

進化の過程で翼を使った飛行能力は失った一方、代わりに 強靭な脚力と長距離を走れる身体構造 を発達させました。これは捕食者から逃げるための適応と考えられます

生息地
ダチョウはアフリカのサバンナや半砂漠地帯に生息しています。乾燥した環境にも適応しており、水が少なくても生きられますが、水場があれば好んで利用します。

食性
雑食性ですが、主に植物（草、葉、種子）を食べます。昆虫や小さな爬虫類を食べることもあり、食物の消化を助けるために小石を飲み込む習性があります。

社会性と群れ
ダチョウは群れで暮らすことが多く、通常は数羽から十数羽程度で生活します。乾季などにはより大きな群れになることもあります。群れの中ではオスが縄張りをもち、複数のメスと繁殖します。

繁殖と子育て
オスが地面に巣を掘り、複数のメスがそこに卵を産みます。卵は大きく、重さは約1.5kgにもなり、鳥類最大です。抱卵は昼はメス、夜はオスが交代で行う習性があります。

運動能力
ダチョウは飛べない代わりに、非常に優れた脚力を持っています。時速70km近いスピードで走ることができ、長距離を安定して移動できるのが特徴です。また、強力な蹴りは外敵に対する防御手段にもなります。

寿命
野生では約30〜40年、飼育下では50年近く生きる例もあります。

世界最大の鳥

ダチョウは現存する鳥類の中で最も大きく、体高は2.5m、体重は150kgを超えることもあります。

卵は鳥類最大

ダチョウの卵は1個で約1.5kgあり、ニワトリの卵およそ20〜25個分に相当します。

驚異のスピード

走る速さは時速70kmに達し、長距離も安定して走ることができます。飛べない代わりに脚力に特化した進化をしています。

強力な蹴り

外敵から身を守る際、ダチョウは強力な蹴りを繰り出します。その力はライオンをも傷つけるほどと言われています。

特殊な足の構造

ダチョウの足は2本の指しかなく、これは鳥類の中でも珍しい特徴です。この構造が速く走る能力を支えています。

視力が非常に優れている

大きな目を持ち、視力は人間の数倍とされます。数キロ先の敵も見分けることができるといわれています。

人との関わり

古代エジプト時代から羽毛が装飾や筆記用具に利用され、現在でも羽毛や皮革製品として利用されています。