業務への組み込み例

請求書の入力を月25時間から8時間に。AIで読み取り、登録番号まで確かめる方法

この記事では、仕入先や外注先から届く請求書をAIに読ませ、発注の記録との照合とインボイスの登録番号の確認まで済ませてから、会計ソフトと支払予定表に入れる仕組みを、組み方・費用・必要な人・結果の見込みまで説明します。一言でいうと、請求書の読み取り・打ち込みはAIに任せ、経理の人の仕事を「打つ」から「払ってよいかを確かめる」に変えるという話です。その結果、入力の時間が減るだけでなく、払い過ぎや二重払い、2026年10月から重くなった免税の取引先の分の税の負担が、支払の前に見えるようになります。事務の時間をAIで減らす考え方の全体は、最低賃金が上がっても利益を守る、AIで事務の時間を減らす方法で説明しています。

AIの価値は、請求書を速く打つことではありません。月末に慌てて打ち込んでいた請求書を、届いた日のうちに「払ってよいか」まで確かめられる状態にすることです。

今は1枚6分の手作業で、月25時間が請求書に消えている

この記事は、ある想定の会社で話を通します。従業員40人ほどの設備工事の会社で、材料の仕入先と外注先が合わせて約60社、請求書は月250枚ほど届きます。半分が紙の郵送、半分がメールのPDFで、経理の方が1人で処理しているとします。数字はすべてこの想定の値なので、御社の枚数と時間に置き換えて読んでください。

請求書1枚ごとに、経理の方は次の作業をしています。

  1. 封筒を開ける、またはメールのPDFを開く
  2. 請求元、請求日、金額、税率ごとの金額、支払期日、振込先、登録番号を探す
  3. 発注書や納品書と見比べて、頼んだものの請求か、数量と単価が合っているかを確かめる
  4. 登録番号が有効かを、国税庁の公表サイトで調べる
  5. 会計ソフトに仕訳を入れ、支払予定表に期日と金額を書く
  6. 紙をファイルに綴じる、PDFを決めたフォルダに保存する

想定の会社で1枚6分なら、月250枚で25時間です。しかも請求書は月末から月初に集中するので、この25時間の多くが、締めの忙しい数日に固まります。

ミスが起きる場所も決まっています。金額の桁、税率の取り違え、同じ請求書が郵送とメールの両方で届いたときの二重計上、そして登録番号の確認の省略です。忙しい日ほど、3と4の「確かめる」作業が先に削られます。

免税の取引先の分は、10月から控除が7割に減った

ここで、AIの話の前に、お金の話をしておきます。請求書の処理で経営に効くのは、入力の時間よりも、確かめる作業のほうです。

1つ目は税です。インボイス制度では、登録番号のない免税事業者からの仕入れは、原則として仕入れにかかった消費税を差し引けません。ただし移行のための経過措置があり、2026年9月30日までは8割を差し引けました。弥生、山田&パートナーズ、税理士ドットコムの解説によれば、令和8年度の税制改正で、2026年10月1日から2年間は7割、そのあと5割、3割と段階的に減り、2031年10月以降は差し引けなくなります(2026年10月時点の各社の解説による。自社の扱いは顧問の税理士に確かめてください)。

仮に、一人親方など免税の外注先への支払が月100万円(税込)ある会社なら、そのうちの消費税にあたる分は約9万1千円です。7割しか差し引けないので、差し引けない3割、月2万7千円ほど、年に33万円ほどが会社の負担になります。9月までの8割と比べても、負担は月9千円ほど増えています。

時期 差し引ける割合 月100万円(税込)の免税の取引先がある場合の負担
2026年9月まで 8割 月1万8千円ほど
2026年10月から2年間 7割 月2万7千円ほど
その後 5割、3割と減っていく さらに増える

この負担は、請求書を1枚ずつ処理しているだけでは見えません。どの取引先が免税で、月にいくら払っているかが一覧になって初めて、単価の相談をするか、取引のしかたを変えるかを決められます。

2つ目は、払う前に止めることの安さです。品質管理の分野には「1-10-100の法則」という経験則があります。誤ったデータを入力の段階で防ぐ費用を1とすると、入ったあとで直す費用は10、誤ったまま進んで問題が起きると100になるという考え方で、オーストラリア政府のAI活用の案内や米国の MarTech の記事でも紹介されています。倍率は測った値ではなく目安ですが、請求書なら、払う前に気づけば電話1本、払ったあとなら返金のお願いと仕訳の直し、気づかなければそのまま損になります。

AIが請求書を読み、登録番号は国税庁のデータで確かめる

請求書をAIで処理する仕組み。紙もPDFも1つのフォルダに集め、AIが請求元・金額・税率・期日・登録番号を抜き出す。登録番号は国税庁のデータと、金額は発注の記録と、AIとは別の仕組みで照らし合わせ、合わない行に印を付ける。人は印の付いた行から確かめ、支払を承認する
請求書をAIで処理する仕組み。紙もPDFも1つのフォルダに集め、AIが請求元・金額・税率・期日・登録番号を抜き出す。登録番号は国税庁のデータと、金額は発注の記録と、AIとは別の仕組みで照らし合わせ、合わない行に印を付ける。人は印の付いた行から確かめ、支払を承認する

1. 集める:紙もPDFも、1つのフォルダに入れる。 紙の請求書は、届いた日に複合機で読み取ってPDFにし、共有フォルダに保存します。メールで届くPDFも、同じフォルダに自動で保存されるようにします。入口が1つになり、紙とメールで同じ請求書が二度届いても見つけられます。

2. 読む:AIが、決めた項目だけを抜き出す。 決まった手順を自動で回す仕組み(たとえばGoogleスプレッドシートに付いている自動処理の機能)が、新しいPDFをAIに渡します。抜き出す項目は、請求元、請求書番号、請求日、税率ごとの金額と消費税額、合計、支払期日、振込先、登録番号です。

3. 照らす:AIとは別の仕組みで、数字を確かめる。 ここがこの仕組みの中心です。AIが読んだ値を、AIではなく決まりで照らし合わせます。登録番号は、国税庁の公表サイトのデータ(Web-APIか、毎月の全件のダウンロード)と照らして、有効か、免税かを判定します。金額は、発注の記録や納品書の表と照らします。税率ごとの金額を足して合計と合うか、同じ請求元・同じ番号・同じ金額の請求書がすでに無いかも見ます。

4. 書く:支払予定表に「確認待ち」で足す。 照らし合わせの結果と一緒に、支払予定表に1行ずつ足します。各行には元のPDFへのリンクを付けます。登録番号が無い・無効、発注の記録と金額が違う、合計が合わない、二重の疑いがある。どれかに当てはまる行は赤くします。

5. 確かめる:人が赤い行から見て、支払を承認する。 経理の方は赤い行から順にPDFを開いて確かめます。承認した行だけが、会計ソフトへの取り込みと振込のデータに流れます。

AIへの指示(見本。内容は架空です):

添付の請求書から、次の項目を決まった形で書き出してください。請求元の名前、請求書番号、請求日、税率10%の対象金額と消費税額、税率8%の対象金額と消費税額、請求金額の合計、支払期日、振込先、登録番号(Tで始まる13桁の数字)。明細は1行ずつ、品名・数量・単価・金額を書き出してください。読めない文字や見当たらない項目は、推測せずに「読めない」「記載なし」と書いてください。

返ってくる結果(見本):

請求元:〇〇設備工業/請求書番号:1024/請求日:2026年10月31日 10%対象:352,000円(うち消費税 32,000円)/8%対象:記載なし 合計:352,000円/支払期日:2026年11月30日 登録番号:記載なし 明細:配管工事 一式 1 × 320,000円 = 320,000円

この見本なら、登録番号が「記載なし」なので、照らし合わせの段階で赤くなり、免税の取引先の一覧にも入ります。

この流れで大事なのは、AIに支払を決めさせないことです。AIは読み取りを手伝うだけで、払うかどうかを決めるのは人の承認です。会計ソフトによっては、請求書の読み取りの機能がすでに付いています。付いていれば、まずそれを使ってみるのが早道です。この記事の形は、発注の記録との照合や、免税の取引先の集計まで1つの流れでやりたいときに向いています。

経理の決まりをスキルにし、照らし合わせはAIの外に置く

AIに請求書を読ませるだけなら、今日からでもできます。毎月、同じ質で回る仕組みにするには、もう一段の工夫が要ります。作る側から見ると、ここが「AIを使う」と「仕組みにする」の差です。

取引先ごとの決まりを Skills にまとめる。 Skills(スキル)は、AIに渡す手順書・見本・道具を1つにまとめたものです。頼まれた内容に合うときにAIが自動で読み込むので、毎回同じ説明をしなくても、AIの働きが安定します。請求書なら、「この外注先の請求書は2ページ目に明細がある」「この仕入先は品名を略して書く」「この取引先の仕訳はいつも外注費」といった、経理の方の頭の中にある決まりを、良い見本と一緒にスキルにしておきます。経理の方が休んでも、同じ質で回るようになります。

数字の確認は、AIではなく決まりでやる。 AIそのもの以外の、指示・道具・点検の仕組みを設計することを、ハーネスエンジニアリングと呼ぶことがあります。この仕組みでは、登録番号を国税庁のデータと照らすこと、金額を発注の記録と照らすこと、税率ごとの金額の和が合計と合うかを計算で確かめることがそれに当たります。AIは、もっともらしい間違いを書くことがあります。お金の数字の正しさは、AIに「確かめて」と頼むのではなく、AIの外の決まりで確かめます。AIが間違えたら、同じ間違いが二度と通らないように決まりを足します。

人が請求書に触るのは、支払の前の確認だけになる

想定の会社の、ある日の流れです。

  • 9:00 郵便で請求書が5通届く。総務の方が複合機で読み取り、共有フォルダに保存する。紙は箱に入れておく
  • 9:10 自動処理が新しいPDFをAIに渡す。メールで夜のうちに届いていた3通も一緒に処理される
  • 9:15 8枚分が支払予定表に「確認待ち」で足される。うち2行が赤い。1行は登録番号が「記載なし」、もう1行は発注の記録より1万円高い
  • 11:00〜11:20 経理の方が赤い行から確かめる。登録番号の無い外注先は、免税の取引先だと分かっていたので、そのまま承認する(免税の取引先の一覧に自動で足される)。1万円高い請求書は、追加工事の分だったことを現場の担当者に確かめてから承認する。赤くない6行は、PDFと請求元・合計・期日の3つだけ見比べて承認する
  • 月末 承認済みの行から振込のデータを作り、社長が振込を承認する。免税の取引先ごとの月の支払額と、差し引けない税額の見込みが一覧で出る

人が触るのは、届いた日の20分ほどの確認と、月末の振込の承認だけです。月末に1日がかりで請求書を打ち込む作業がなくなります。

経営への効果は、入力の時間が減り、税の負担が見えること

経営効果 何が変わるか 利益へのつながり
コストが下がる 請求書を1枚ずつ打ち込む作業が、AIの結果を確かめる作業に変わる 経理の残業が減る。取引先が増えても人を増やさずに済む
業務の無駄が減る 金額の違い、二重の請求、登録番号の無効が、払う前に見つかる 払い過ぎの返金のお願いや、仕訳の直しが減る
利益が増える 免税の取引先への支払と、差し引けない税額が毎月見える 単価の相談や取引のしかたを、数字を見て決められる

時間の効果は、次の式で見積もれます。

月に浮く時間 = 月の請求書の枚数 ×(今の1枚の処理時間 − AIの結果を確かめる時間)

想定の会社では、月250枚、今の処理が1枚6分、確かめるのが1枚2分とすると、浮く時間は月およそ17時間です。処理にかかる時間は、月25時間から8時間ほどになります。仮に経理の方の時給を残業代込みで2,000円とすると、月3万3千円ほどにあたります。

人の手だけ AIを使う
1枚あたりの手間 探して、打って、照らして6分ほど 赤い行を中心に確かめて2分ほど
月250枚にかかる時間 月25時間 月8時間ほど
金額の違いに気づく時点 照合を省いた日は、払ったあと 届いた日(赤い行)
免税の取引先への支払 決算のときに集計するまで分からない 毎月一覧で見える

この計算には、払い過ぎや二重払いを防ぐ効果を入れていません。逆に、請求書が月30枚ほどなら浮く時間は月2時間ほどで、作る費用を取り戻すのに何年もかかります。その規模なら、会計ソフトに付いている読み取りの機能で十分です。目安として、月150枚を超えるあたりから、この形を検討する価値が出てきます。

費用の大半は作る費用で、AIの利用料は月千円ほど

作る順番と、かかる日数

枚数の多い取引先5社から始め、1か月は今のやり方と並べて動かします。

  1. 抜き出す項目と、赤くする条件を決める(社内:経理の責任者と社長、半日)。今の支払予定表の列をそのまま使うのが早いです。発注の記録がどこにあるか(表計算か、紙の発注書か)もここで確かめます
  2. 請求書の多い取引先を5社選び、過去の請求書を各5枚ほど集める(社内:経理の方、1時間)
  3. フォルダ → AI → 照らし合わせ → 支払予定表の流れを試しに作る(作る人、3〜5人日)。登録番号の照らし合わせは、国税庁の公表サイトのWeb-APIを使うならアプリケーションIDの届け出が要るので、最初に申し込んでおきます。間に合わなければ、毎月の全件のダウンロードで始めます
  4. 1か月、今のやり方と並べて動かす(経理の方は今どおり処理し、作る人は結果を比べる。作る人は2〜3人日)。月末と月初の山を一度通すために、2週間ではなく1か月にします
  5. 本番にする(作る人、1〜2人日)。手入力をやめ、確かめるだけに切り替えます。処理が止まったときの知らせと、毎月の免税の取引先の一覧を足します
  6. 取引先を広げる(月1回、作る人と経理の方)

作る費用

作る費用 = 作る人の日数(人日)× 1日あたりの単価

上の手順3〜5で、作る側の目安は合計6〜10人日です。会計ソフトに仕訳を取り込む形式、発注の記録がデータになっているかどうかで日数は変わります。発注の記録が紙しかない会社は、照合を後回しにし、まず登録番号の確認と二重の請求の検出から始めます。

毎月の費用

費用 中身 想定の会社での目安
AIの利用料 請求書1枚を読ませるごとにかかる 月250枚で1,000円ほど(下の計算)
登録番号の照らし合わせ 国税庁の公表サイトのデータ 追加0円の想定
表計算・保存場所 すでに使っている表計算・共有フォルダ 追加0円の想定
保守 新しい取引先の決まりを足す、月1回の見直し 月1〜2時間

AIの利用料は、読ませた量と書かせた量で決まります。2026年10月7日時点のAnthropic社のClaude(Sonnet 5.5)の公式料金は、読ませる量100万単位あたり2ドル、書かせる量100万単位あたり10ドルです。請求書の画像1ページは、AIが数える単位で最大およそ4,800になります(公式の説明にある上限)。請求書を平均1.5ページとして7,200、指示文を1,500、書かせる結果を1,000と多めに見積もると、1枚あたり約0.027ドル、1ドル150円で約4円です。月250枚で約1,000円です。

つまり、費用の本体は作る費用と、確かめる人の時間です。

何か月で取り戻せるか

取り戻すまでの月数 = 作る費用 ÷(月に浮く金額 − 毎月の費用)

仮に作る費用が40万円、毎月の費用(利用料と保守の時間)が5,000円とすると、月3万3千円の効果で、およそ14か月で取り戻す計算です。払い過ぎを1件止めるたび、免税の取引先との単価の相談が1件まとまるたびに、その分だけ早まります。

必要な人は3役で、払う判断は社内に残す

役割 社内の誰か やること 時間の目安
決まりの持ち主 社長か経理の責任者 抜き出す項目、赤くする条件、取引先ごとの仕訳の決まりを決めて守る。振込を承認する 最初に半日、そのあと月1時間
確かめる人 今請求書を処理している経理の方 赤い行から原本と見比べ、承認する。読み取れなかった分を手で入れる 1日20分ほど(月8時間)
作る人 表計算の自動処理を書ける社員、または外の会社 仕組みを作り、1か月の並行運用で直し、取引先を足していく 最初に6〜10人日、そのあと月1〜2時間

外に頼む場合は、「作る人」の役だけを頼みます。どの請求書なら払ってよいかを決めることと、確かめることは、社内に残します。 取引の事情(追加工事、値引きの約束、分割の請求)を知っているのは社内の人だけです。

免税の取引先の一覧は、社長が見る数字です。経理の方に集計を頼むだけでなく、毎月の一覧を社長が自分で見て、どの取引先と話すかを決めます。

3か月で入力が3分の1になり、半年で仕入先の見直しに使える見込み

導入後の見込み。1か月目は今のやり方と並べて読み違いを直す期間、3か月目には主な取引先の請求書が確かめるだけで済み、半年後には免税の取引先への支払や仕入れの傾向を見て、取引の見直しに使える
導入後の見込み。1か月目は今のやり方と並べて読み違いを直す期間、3か月目には主な取引先の請求書が確かめるだけで済み、半年後には免税の取引先への支払や仕入れの傾向を見て、取引の見直しに使える

ここからは見込みです。会社ごとの請求書の書式と枚数で変わります。

1か月目:手間はまだ減らない。読み違いの癖をつかむ期間。 並行運用の間は、今の処理に加えて結果を比べる手間が増えます。手書きの請求書、明細が別紙の請求書、合計に前月の繰越が入る請求書など、取引先ごとの癖がこの時期にはっきりします。

3か月目:主な取引先の請求書が、確かめるだけで済む。 上位の取引先で読み違いがほぼ出なくなり、1枚の確認が2分前後に落ち着きます。想定の会社なら、処理の時間は月25時間から8時間ほどになります。月末の締めの日に経理の方が残業する日も減ります。

半年後:仕入れの数字がそろい、取引の見直しに使える。 取引先ごと・月ごとの支払と、免税の取引先への支払が表にたまります。経過措置は2028年10月にさらに5割へ縮むので、それまでに単価や取引のしかたを相談する材料になります。

うまくいっていない兆し。 3か月たっても赤い行が全体の半分を超えるなら、赤くする条件が広すぎるか、発注の記録の付け方がばらばらで照合できていない可能性があります。前者は条件のしぼり込み、後者は発注の記録の付け方をそろえることで直します。

見込みどおりかは、始める前に測った数字で確かめる

測る数字 測り方 導入後に期待する変化
1枚あたりの処理時間 1か月の請求書の処理にかかった時間 ÷ 枚数 6分前後 → 2分前後
払ったあとに見つかった誤り 返金のお願い、仕訳の直しが月に何件あったか 減る(払う前の赤い行で見つかる)
月末の締めにかかった日数 請求書がそろってから支払予定表が固まるまで 短くなる

支払の承認までAIに任せると失敗する

  • 払う判断までAIに任せる。 赤くない行をそのまま振込に流すと、AIの読み違いがそのまま払い過ぎになります。承認は人がし、振込は社長か責任者が最後に承認する形を崩しません
  • 登録番号をAIに「確かめさせる」。 AIは登録番号の正しさを知りません。番号を読むのはAI、有効かどうかを判定するのは国税庁のデータです
  • 全取引先を一度にやろうとする。 取引先が60社あれば、書式も60通りです。枚数の多い5社から始め、1社ずつ足します
  • 紙の請求書の保存を忘れる。 PDFにしても、保存のしかたには電子帳簿保存法などの決まりがあります。紙を捨ててよいか、どう保存するかは、始める前に税理士に確かめます
  • 取引先の情報をAIに渡すことへの不安。 会社向けのAIの契約では、送ったデータをAIの学習に使わないと規約に書かれているものがあります。使う前に規約で確認し、社内ルールにその旨を書いておきます

まとめ

  • 経営への効果は、請求書を打ち込む時間が減ること(コスト)と、払い過ぎや二重払いが払う前に見つかること(業務の無駄)。月250枚の想定で、処理の時間は月25時間から8時間ほどになる
  • 免税の取引先からの仕入れは、2026年10月1日から2年間、消費税の7割しか差し引けない(2026年10月時点の各社の解説による)。仮に月100万円の支払なら、差し引けない分は月2万7千円ほど
  • AIが請求書を読み、登録番号は国税庁のデータと、金額は発注の記録と、AIの外の決まりで照らす。人は赤い行から確かめて承認する
  • 取引先ごとの経理の決まりはスキルにまとめ、払う判断は人に残す
  • 費用の本体は作る費用(目安6〜10人日)と確かめる人の時間。AIの利用料は月250枚で1,000円ほど。仮に作る費用40万円なら約14か月で取り戻す
  • 1か月目は慣れる期間、3か月目から時間が減り、半年後には免税の取引先への支払を見て取引を見直せる見込み。月150枚を超えるあたりから検討の価値が出る。まずは請求書の多い取引先5社から始める

CONTACT

自社の業務にも、AIを組み込めるか

記事のような組み込みを、御社の業務と予算に合わせて設計・実装しています。何から手を付ければいいか分からない段階でも大丈夫です。

AI活用を相談する