AI×業種

探偵の契約の書面|相談の記録から8つの欄をAIで整え、遅滞なく渡す

この記事で変わる経営指標

この記事では、探偵事務所のAI活用|説明と契約の書面、教育の記録を整え、調査に集中するの「契約の書面は、相談の記録を決まった欄に並べる」を、契約の日から使える手順にして説明します。

一言でいうと、社長が、相談で決めた内容をメモする。AIが、契約の書面の8つの欄に並べ、空いている欄に印を付ける。社長が、説明の書面と料金表に照らす。社長が名前と金額を書き入れ、遅滞なく渡す。調査の方法は社長が決めるという形です。

経営への効果は、言った言わないと追加料金のもめごとを防ぐこと

探偵の依頼では、調査の途中で依頼者の希望が変わることがあります。そのとき、最初に何を約束したかが書面ではっきりしていないと、「そこまで頼んでいない」「その料金は聞いていない」というもめごとになります。

契約の書面に、調査の内容、期間、方法、報告の期限、金額をはっきり書いておけば、途中で話が変わったときも、どこからが追加なのかを依頼者と一緒に確かめられます。

相談で決めたことは、社長のメモにすでにあります。AIにそれを決まった欄に並べさせれば、書面を作る手間が減り、契約の日のうちに渡せます。

契約したら、8つの欄を書いた書面を遅滞なく渡す

e-Gov法令検索で探偵業の業務の適正化に関する法律を確かめると、第8条第2項で、契約を結んだときは、遅滞なく、次の8つについて契約の内容を明らかにする書面を渡すこととされています。

番号 欄
1 商号・名称・氏名と住所、法人なら代表者の氏名
2 契約の締結を担当した者の氏名と契約年月日
3 調査の内容、期間、方法
4 調査の結果の報告の方法と期限
5 委託に関する定めがあるときは、その内容
6 対価その他依頼者が払う金銭の額と、支払いの時期と方法
7 契約の解除に関する定めがあるときは、その内容
8 資料の処分に関する定めがあるときは、その内容

契約の前に渡す重要事項の説明の書面(第8条第1項)では、金銭は「概算額」でした。契約の書面では、金銭の「額」と、支払いの時期と方法を書きます。

警察庁の「令和7年中における探偵業の概況」によると、令和7年中の探偵業者への指示19件のうち、4件が書面交付違反でした。第9条第2項では、探偵業務を探偵業者以外の者に委託してはならないとされています。細かな様式は、営業所のある都道府県の警察の案内で確かめてください。2026年10月時点の情報です。

今は、相談のメモから手で書き写している

小さな探偵事務所では、次のような形が多いと思います。

  • 相談で決めたことは、社長の手帳に書く
  • 契約の書面は、型に手で書き写す。報告の期限や支払いの方法の欄が空いたままになる
  • 説明の書面と契約の書面で、解除や資料の処分の書き方が違う
  • 書面を渡すのが、調査を始めてからになる

この形だと、8つの欄がそろわず、説明の書面とも食い違います。

記録し、AIが並べ、照らして、渡す

探偵の契約の書面を作る流れ。社長が相談で決めた内容をメモする。AIが8つの欄に並べ空欄に印を付ける。社長が説明の書面と料金表に照らす。社長が名前と金額を書き入れ遅滞なく渡す。調査の方法は社長が決める
探偵の契約の書面を作る流れ。社長が相談で決めた内容をメモする。AIが8つの欄に並べ空欄に印を付ける。社長が説明の書面と料金表に照らす。社長が名前と金額を書き入れ遅滞なく渡す。調査の方法は社長が決める

1 記録する(社長)。 相談で決めた内容を、決まった項目でメモします。依頼者と調査対象者の名前は記号に置き換えます。

2 並べる(AI)。 メモと、事務所の解除や資料の処分の決まりを渡し、8つの欄に並べてもらいます。空いている欄に印を付けさせます。

3 照らす(社長)。 契約の前に渡した説明の書面と、解除や資料の処分の書き方が同じかを照らします。金額は料金表と見積もりから書きます。

4 渡す(社長)。 依頼者の名前と金額を書き入れ、契約の日のうちか、遅くとも調査を始める前に渡します。控えを残します。

相談のメモは、この項目でそろえる

項目 中身の例(想定) AIにさせないこと
依頼者 記号(Aさん) 名前を書く
調査の内容 〇〇についての行動の調査 内容を広げる
調査の期間 〇月〇日から〇日間 期間を決める
調査の方法 調査員〇名による張込みと尾行 方法を決める
報告の方法と期限 報告書と写真を手渡し、調査の終了から〇日以内 期限を決める
金額と支払い 見積もりのとおり、着手金は契約時、残りは報告時 額を書く、計算する
解除・資料の処分 事務所の決まりのとおり 決まりを書き換える

調査の方法と期間を決めるのは社長です。調査は第6条のとおり、人の生活の平穏を害するなど個人の権利利益を侵害しない方法で行います。

AIへの頼み方と、返ってくる書面はこうなる

AIに渡す指示(見本):

下に貼ったのは、探偵事務所の相談で決めた内容のメモと、事務所の解除と資料の処分の決まりです。探偵業法第8条第2項の8つの欄(商号等、担当者と契約年月日、調査の内容・期間・方法、報告の方法と期限、委託、金銭の額と支払いの時期と方法、解除、資料の処分)に並べた契約の書面を下書きしてください。金額は「見積もりのとおり」と空けてください。メモにないことは足さず、空いている欄には「未記入」と書いてください。

返ってくる書面(見本。内容は架空です):

1 〇〇調査事務所(代表 〇〇)、住所 〇〇 2 担当:〇〇、契約年月日:〇年〇月〇日 3 調査の内容:Aさんの依頼による〇〇の行動の調査/期間:〇月〇日から〇日間/方法:調査員〇名による張込みと尾行 4 報告:報告書と写真を手渡し、調査の終了から〇日以内 5 委託:しない 6 金額:見積もりのとおり/支払い:着手金は契約時、残りは報告時、銀行振込 7 解除:事務所の決まりのとおり 8 資料の処分:報告のあと〇日以内に処分

照らすときは、説明の書面との食い違いと金額を見る

AIの下書きは、渡したメモと決まりをもとにしています。それでも、言葉を補う中で、メモにない約束が混ざることがあります。

  • 説明の書面と照らす。 解除、資料の処分、委託の書き方が、契約の前に渡した書面と同じかを見ます
  • 金額を見積もりと照らす。 金額は社長が書き入れます
  • 調査の内容が広がっていないかを見る。 メモより広い調査が書かれていたら直します
  • 結果を約束する言葉がないかを見る。 「必ず判明します」のような言葉は消します
  • 「未記入」を埋める。 報告の期限や支払いの方法は、依頼者と決めて書き入れます

内容が変わったら、変えた内容を書面に残す

調査の途中で、期間を延ばす、調べる内容を足すといった話が出ることがあります。そのときは次のようにします。

  • 依頼者と話して、変える内容と金額を決める
  • 変えた内容を書面にして渡す。 最初の書面の控えと一緒に綴じます
  • 口だけで追加の調査を始めない

調査報告書の作り方や、教育の記録は、探偵事務所のAI活用|説明と契約の書面、教育の記録を整え、調査に集中するで説明しています。

型をスキルにし、金額と調査の方法はAIの外に置く

型を Skills にまとめる。 Skills(スキル)は、AIに渡す手順書・見本・道具を1つにまとめたものです。頼まれた内容に合うときにAIが自動で読み込むので、毎回同じ説明をしなくても、AIの働きが安定します。ここでは、「相談のメモの項目」「契約の書面の8つの欄」「書面の見本」「させないこと(金額を書く、名前を書く、調査を広げる、結果を約束する)」をスキルにします。

金額と調査の方法は、AIの外に置く。 AIそのもの以外の、指示・道具・点検の仕組みを設計することを、ハーネスエンジニアリングと呼ぶことがあります。ここでは、社長が調査の方法と期間を決めること、金額を見積もりから書き入れること、名前を記号に置き換えてからAIに渡すことがそれに当たります。

費用は、AIの利用料が1件2円ほど

費用 見込み
契約の書面の下書き メモと決まり(入力2千トークンほど)から書面(出力1千トークンほど)を作ると、Claude Sonnet 5.5の料金(入力100万トークンあたり2ドル、出力10ドル、1ドル150円で計算)で1件2円ほど
法人向けプラン チャットで使うなら1人あたり月数千円
社長の時間 照らして書き入れるのに1件数十分(想定)

必要な人は1役か2役で、調査の方法は社長が決める

  • 社長:相談で内容を決め、メモを残し、書面を照らし、金額と名前を書き入れて渡す
  • 事務(いれば):AIに書面を下書きさせ、控えを綴じ、依頼の一覧に渡した日を書く

1週間で型ができ、次の契約から渡せる見込み

  1. 1日目:相談のメモの項目を紙にし、面談のときに使う
  2. 2日目:過去の契約を1件、AIに8つの欄に並べさせ、型を確かめる
  3. 3日目:説明の書面と解除や資料の処分の書き方をそろえ、見本をスキルにまとめる
  4. 次の契約から:契約の日のうちに書面を渡し、控えを綴じる

調査を始めてから書面を作ると失敗する

よくある失敗は次の3つです。

  • 調査を始めてから書面を渡す。 契約を結んだら遅滞なく渡します
  • 報告の期限を書かない。 いつまでに、どう報告するかを書きます
  • 説明の書面と契約の書面で、解除の書き方が違う。 同じ決まりから作ります

まとめ

  • 契約を結んだら、8つの欄を書いた契約の書面を遅滞なく渡す
  • 契約の書面には、金銭の概算額ではなく額と、支払いの時期と方法を書く
  • 相談のメモから、AIが8つの欄に並べ、空欄に印を付ける
  • 金額は社長が見積もりから書き入れ、説明の書面と食い違いがないかを照らす
  • 調査の内容が変わったら、変えた内容を書面にして渡す

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