酒販店の季節の案内|入荷と行事からAIで下書きし、20歳未満の表示を添える
この記事で変わる経営指標
この記事では、酒販店のAI活用|商品の説明と飲食店への提案で売上を伸ばすの「季節の案内は、入荷と行事から下書きする」を、毎月続けられる手順にして説明します。
一言でいうと、店主が、季節の酒と試飲の感想を選ぶ。AIが、季節の行事と合わせた案内を書く。店主が、20歳未満の者への注意の表示と注文の欄を確かめる。案内を受け取ると言ったお客さまに送る。飲みすぎを誘う言葉は書かないという形です。
経営への効果は、季節ごとに思い出してもらい注文を増やすこと
酒販店には、季節ごとに売れる酒があります。新酒、ひやおろし、年末の贈り物、花見の時期の酒などです。常連のお客さまに季節の入荷を知らせれば、「そろそろあの店に寄ろう」と思い出してもらえます。
案内を毎月一から書くのは大変です。入荷の予定と店主の一言からAIで下書きすれば、店主は選ぶことと確かめることに時間を使えます。電話やLINEで注文を受けて届ける店なら、案内がそのまま注文のきっかけになります。
通信販売の案内には、20歳未満の者への表示が要る
国税庁の「二十歳未満の者の飲酒防止に関する表示基準」には、酒類小売販売場で通信販売を行う場合の表示が決まっています。通信販売は、商品の内容や価格などの条件を示し、郵便や電話などで申込みを受けて売ることを指します。
| 書類 | 表示すること(表示基準7より) |
|---|---|
| 広告やカタログ(インターネットを含む) | 「20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されている」または「20歳未満の者に対しては酒類を販売しない」旨 |
| 申込書や申込みの画面 | 年齢を書く欄を設け、その近くに同じ旨 |
| 納品書など | 「20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されている」旨 |
表示の文字は、10ポイント以上(インターネットなどでは価格の文字以上の大きさ)で、はっきり表示します。季節の案内で電話やLINEの注文を受けるなら、この表示を案内と注文の欄に入れておきます。通信販売の扱いや免許の範囲は、所轄の税務署で確かめてください。2026年10月時点の情報です。
業界の自主基準は、飲みすぎを誘う言葉を使わないとしている
酒類業界の団体でつくる飲酒に関する連絡協議会の「酒類の広告・宣伝及び酒類容器の表示に関する自主基準」(令和8年7月1日最終改正)には、広告の注意表示と、使わない表現が決められています。
- 20歳未満の飲酒の注意表示:例えば「お酒は二十歳になってから」。適用する媒体には、インターネットや消費者向けのチラシも含まれます
- 健康などの注意表示:妊娠中や授乳期の飲酒、飲みすぎ、飲酒運転についての注意の文言の例があります
- 使わない表現:過度の飲酒につながる表現、飲酒の無理強いにつながる表現、飲酒運転につながる表現などです
自主基準は業界の決まりですが、小さな酒販店の案内でも、この考え方に沿っておくと安心です。
今は、案内を出しそびれている
小さな酒販店では、季節の入荷を店頭の貼り紙で知らせるだけのことが多いものです。来店しないお客さまには、入荷が伝わりません。
案内を出そうとしても、毎月文を考えるのは手間です。忙しい時期ほど、案内を出しそびれます。型を作り、AIで下書きすれば、毎月同じ時期に出せるようになります。
選び、AIが下書きし、照らして、送る
1 選ぶ(店主)。 今月案内する季節の酒を2〜3本選び、試飲の感想を一言ずつ書きます。
2 下書きする(AI)。 選んだ酒と季節の行事を渡し、案内の文を下書きしてもらいます。
3 照らす(店主)。 20歳未満の者への表示と、注文の欄の年齢を書く欄があるかを確かめます。
4 送る(店主)。 案内を受け取ると言ったお客さまに送ります。
案内は、この5つの欄で作る
| 欄 | 中身の例(想定) |
|---|---|
| 季節のあいさつ | 新酒の季節になりました |
| 今月の酒 | 2〜3本、ラベルの名前と店主の一言 |
| 合う料理や飲み方 | 店主が試したものだけ |
| 注文の方法 | 電話、LINE、来店。年齢を書く欄 |
| 注意の表示 | 20歳未満の者には販売しない旨、飲酒運転の注意など |
注意の表示の欄は、型に固定しておきます。AIに毎回書かせず、決まった文言を入れます。
AIへの頼み方と、返ってくる案内はこうなる
AIに渡す指示(見本):
下は、今月の入荷の一覧と、店主の試飲の一言、季節の行事です。常連のお客さまに送る季節の案内を、「季節のあいさつ」「今月の酒」「合う料理や飲み方」「注文の方法」の欄で下書きしてください。酒の名前と度数は一覧のとおりに書いてください。「たくさん飲める」「飲みやすいからどんどん」のように飲みすぎを誘う言い方や、効き目の話は書かないでください。注意の表示は、こちらで入れるので書かないでください。
返ってくる案内(見本の一部。内容は架空です):
新酒の季節になりました。今月は、〇〇蔵の新酒が入荷します。店主が試したところ、香りがやわらかく、湯豆腐によく合いました。ご注文は、お電話か店頭でどうぞ。
最後に、型に固定した注意の表示と、年齢を書く欄を添えて送ります。
照らすときは、表示と言い方と送り先を見る
AIの下書きは、渡した一覧と一言をもとにしています。それでも、言葉を補う中で、一覧にない中身が混ざることがあります。
- 20歳未満の者への表示が入っているかを見る
- 注文の欄に、年齢を書く欄があるかを見る
- 飲みすぎを誘う言葉や、効き目の話がないかを見る
- 酒の名前と度数を、ラベルと照らす
- 送り先は、案内を受け取ると言ったお客さまだけかを見る
店頭のPOPの作り方は、酒販店のPOPをAIで下書き|ラベルと照らし、効き目と一番は書かないで説明しています。
季節の行事は、1年分の一覧にしておく
季節の案内は、毎年ほぼ同じ時期に出します。1年分の行事と、その時期によく売れる酒を一覧にしておくと、毎月の準備が楽になります。
- 月ごとに、行事と案内する酒の種類を書く。 春は花見、夏は暑気払い、秋はひやおろし、冬は新酒と年末の贈り物などです
- 案内を出す日を決める。 行事の2〜3週間前など、店で決めた時期に出します(時期は想定です)
- 前の年の案内と注文の数を残す。 次の年に、どの酒の案内が注文につながったかを比べられます
一覧は店主が作り、毎年の入荷に合わせて直します。AIには、その月の行事と入荷を渡して下書きさせます。
贈り物の案内では、のしと届け先の確認も添える
年末やお中元の時期の案内では、贈り物の注文が増えます。贈り物の注文には、確かめることが多くあります。
- のしの種類と名入れを聞く欄を作る
- 届け先の住所と日時を、復唱して確かめる
- 届け先が20歳以上かを確かめられないときの扱いを決めておく
型をスキルにし、表示と送り先はAIの外に置く
型を Skills にまとめる。 Skills(スキル)は、AIに渡す手順書・見本・道具を1つにまとめたものです。頼まれた内容に合うときにAIが自動で読み込むので、毎回同じ説明をしなくても、AIの働きが安定します。ここでは、「季節の案内の5つの欄の型」「季節ごとの行事の一覧」「書いてはいけないこと(飲みすぎを誘う言い方、効き目の話、一覧にない酒、お客さまの名前)」をスキルにします。
表示と送り先は、AIの外に置く。 AIそのもの以外の、指示・道具・点検の仕組みを設計することを、ハーネスエンジニアリングと呼ぶことがあります。ここでは、注意の表示と年齢を書く欄を型に固定すること、送り先を同意の台帳で決めること、店主が送る前に確かめることがそれに当たります。
費用は、AIの利用料が1回3円ほど
| 費用 | 見込み |
|---|---|
| 季節の案内の下書き | 入荷の一覧と一言と指示(入力3千トークンほど)から案内(出力1,500トークンほど)を作ると、Claude Sonnet 5.5の料金(入力100万トークンあたり2ドル、出力10ドル、1ドル150円で計算)で1回3円ほど |
| 法人向けプラン | チャットで使うなら1人あたり月数千円 |
| 店主の時間 | 選んで確かめるのに月1時間ほど(想定) |
必要な人は1役で、表示は店主が確かめる
- 店主:季節の酒を選び、AIに下書きさせ、表示と注文の欄を確かめて送る
店員がいる店では、送り先の台帳の管理を任せられます。表示の確かめは、酒類販売管理者が行います。
1か月で型ができ、次の季節から使える見込み
- 1週目:案内の5つの欄と、注意の表示と年齢を書く欄の型を決める
- 2週目:今月の入荷でAIに下書きさせ、店主が確かめる
- 3週目:型と書いてはいけないことをスキルにまとめ、送り先の台帳を整える
- 4週目以降:毎月の初めに案内を出し、注文につながった数を数える
表示を忘れて送ると失敗する
よくある失敗は次の3つです。
- 20歳未満の者への表示を入れ忘れる。 型に固定して、毎回入るようにします
- 年齢を書く欄のない注文の欄にする。 電話の注文でも年齢を確かめます
- 「飲みやすいからどんどん」と書く。 飲みすぎを誘う言い方は使いません
まとめ
- 国税庁の表示基準で、通信販売の広告やカタログに20歳未満の者に関する表示が、申込みの欄に年齢を書く欄とその近くの表示が求められている
- 業界の自主基準は、注意表示の例と、飲みすぎや飲酒運転につながる表現を使わないことを示している
- 店主が季節の酒と一言を選び、AIが5つの欄の案内を下書きする
- 注意の表示と年齢を書く欄は型に固定し、AIに書かせない
- 案内を受け取ると言ったお客さまにだけ送る