結婚相談所の面談記録の残し方|メモをAIで整え、次の面談につなぐ
この記事では、結婚相談所のAI活用|面談の記録と連絡で会員の活動を続けてもらうの「面談の記録は、メモを会員の記録の形に整える」を、毎回の面談で続ける方法を説明します。
一言でいうと、カウンセラーが面談のあとに決まった項目で短いメモを書く。AIが前回の記録と並べて会員の記録の形に整え、前回の「次回までにすること」がどうなったかを書く。カウンセラーが会員の言葉のままかを見て保存する。次の面談の前に、AIが記録から話すことの一覧を作る。紹介する相手の判断はカウンセラーが行うという形です。
経営への効果は、会員に「分かってもらえている」と感じてもらうこと
結婚相談所の会員は、何か月にもわたって面談を重ねます。前回話した希望や迷いを、カウンセラーが覚えていて、次の面談でその続きから話せれば、会員は「分かってもらえている」と感じます。
消費者庁の特定商取引法ガイドによると、期間が2か月を超え、金額が5万円を超える結婚相手紹介サービスの契約は、特定商取引法の「特定継続的役務提供」に当たります。京都府消費生活安全センターの案内によると、会員はクーリング・オフの期間が過ぎたあとも、理由を問わず中途解約ができます。会員に活動を続けてもらうには、毎回の面談で「来てよかった」と思ってもらうことが大事です。記録は、その土台になります。
今は、カウンセラーの頭の中とばらばらのメモに残っている
小さな相談所では、面談の内容をカウンセラーが手帳やスマホのメモに書いておくことがよくあります。書き方は人によって違い、時間がたつと、どの会員に何を話したかがあいまいになります。
カウンセラーが休んだり辞めたりすると、別の人が担当を引き継ぐときに、会員が同じ話をもう一度しなければならなくなります。会員にとっては、ここで気持ちが離れやすくなります。
書き、AIが整え、確かめ、次の面談に備える
1 書く(カウンセラー)。 面談のあと、決まった項目で短いメモを書きます。話して文字に起こしてもかまいません。
2 整える(AI)。 メモと前回の記録をAIに渡し、会員の記録の形に整えてもらいます。前回の「次回までにすること」がどうなったかも書いてもらいます。
3 確かめる(カウンセラー)。 会員が話した言葉のままになっているかを見て、保存します。
4 備える(AI)。 次の面談の前日に、その会員の記録をAIに渡し、話すことの一覧と、前回の約束の続きをまとめてもらいます。
会員の記録の項目と、AIへの頼み方はこうなる
会員の記録の項目(見本):
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 基本 | 会員番号(名前は記号でもよい)、活動を始めた月 |
| 今回話したこと | 面談で話した主な話題 |
| 希望の条件 | 今の希望と、前回からの変化 |
| 大事にしていること | 会員が自分の言葉で話したこと |
| お見合い・交際の様子 | 感想、迷っていること(会員の言葉のまま) |
| 次回までにすること | 会員とカウンセラーがそれぞれすること |
| カウンセラーの気づき | 気づいたこと(事実と考えを分けて) |
AIに渡す指示(見本。内容は架空です):
下は、今日の面談のあとにカウンセラーが書いたメモと、前回の会員の記録です。上の項目に沿って、今日の会員の記録を整えてください。メモに書いてあることだけを使い、会員の気持ちや迷いは、メモにある会員の言葉をそのまま書いてください。「この人は〇〇な性格」のような決めつけや、相性の判断は書かないでください。前回の「次回までにすること」が今回どうだったかを、メモから読める範囲で書き、読めないときは「未記入」と書いてください。
返ってくる記録(見本の一部):
前回の「次回までにすること」の続き
- 会員:プロフィールの写真を撮り直す → 撮り直した(メモにあり)
- カウンセラー:休日が合う方を3人探す → 未記入
次の面談の前の一覧(見本):
明日14時 会員B
- 前回「休日が合う方を探す」と約束した。結果を伝える
- お見合いの感想で「話すペースが合わなかった」と話していた。その後の気持ちを聞く
メモは、面談の直後に5分で書く
面談が続く日は、あとでまとめて書こうとして、細かいことを忘れがちです。続けるために、次の工夫をします。
- 面談の直後に5分取る。 次の面談との間に、メモを書く時間を予定に入れておきます
- 項目の順に話す。 「今回話したこと、希望の変化、お見合いの感想、次回までにすること」の順にスマホに話して文字に起こします
- 会員の言葉は「」でくくる。 会員がそのまま話した言葉は「」でくくっておくと、AIが書き換えずに残しやすくなります
- その日のうちに整える。 夕方にまとめてAIで整え、書いたカウンセラーが確かめます
担当を引き継ぐときは、記録から引き継ぎの1枚を作る
カウンセラーが替わるときは、会員の記録をAIに渡し、引き継ぎの1枚を下書きさせます。
- 活動の流れを短くまとめる。 いつ入会し、何回お見合いをし、今どの段階かを書かせます
- 大事にしていることを会員の言葉で残す。 記録にある会員の言葉を、そのまま抜き出させます
- 続いている約束を並べる。 「次回までにすること」で終わっていないものを一覧にさせます
新しい担当は、この1枚を読んでから最初の面談に入ります。会員が同じ話をくり返さずに済みます。
記録は、会員から見せてと言われても困らない書き方にする
会員の記録には、その人の希望や迷い、家族のことなど、立ち入った話が入ります。書き方と扱い方を決めておきます。
- 事実と考えを分ける。 会員が話したことと、カウンセラーが考えたことを、別の欄に書きます。混ぜると、あとで読んだ人が会員の言葉と取り違えます
- 会員に見せても困らない言葉で書く。 会員を評価するような言葉は使いません。AIにもそう指示します
- 見られる人を絞る。 記録を読めるのは、担当のカウンセラーと代表だけにします。紙のメモは、整えたあとに処分のしかたを決めておきます
型をスキルにし、紹介する相手の判断はAIの外に置く
型を Skills にまとめる。 Skills(スキル)は、AIに渡す手順書・見本・道具を1つにまとめたものです。頼まれた内容に合うときにAIが自動で読み込むので、毎回同じ説明をしなくても、AIの働きが安定します。ここでは、「会員の記録の項目」「会員の言葉をそのまま残す決まり」「前回の約束の続きの書き方」「次の面談の前の一覧の型」「引き継ぎの1枚の型」「書いてはいけないこと(性格の決めつけ、相性の判断、メモにないこと)」をスキルにします。
紹介する相手の判断は、AIの外に置く。 AIそのもの以外の、指示・道具・点検の仕組みを設計することを、ハーネスエンジニアリングと呼ぶことがあります。ここでは、記録を書いたカウンセラーが確かめてから保存すること、誰を紹介するかをカウンセラーが会員と話して決めること、会員の情報を記号に置き換えるか、入力をAIの学習に使わないプランで扱うことがそれに当たります。
費用はAIの利用料が1回2円ほど
| 費用 | 見込み |
|---|---|
| 会員の記録の整え | メモと前回の記録(入力2,500トークン・出力700トークンほど)から、Claude Sonnet 5.5の料金(入力100万トークンあたり2ドル、出力10ドル、1ドル150円で計算)で1回2円ほど |
| 次の面談の前の一覧 | 1人あたり1〜2円ほど |
| 法人向けプラン | チャットで使うなら1人あたり月数千円 |
| カウンセラーの時間 | メモに5分、確かめに2〜3分ほど(想定) |
必要な人は2役で、紹介を決めるのはカウンセラー
- カウンセラー:面談のあとにメモを書き、AIが整えた記録を確かめて保存し、前日の一覧を読んで面談に入る。紹介する相手を考える
- 代表:記録の項目を決め、会員の情報の扱い方を決め、引き継ぎのときに1枚を確かめる
1か月で型が固まり、3か月で約束の続きが追える見込み
- 1週目:代表が記録の項目を決め、会員の言葉の残し方をカウンセラーとそろえる
- 2〜4週目:毎回の面談でメモを書き、AIで整え、スキルにまとめる
- 2か月目から:次の面談の前の一覧を作り始める
- 3か月目:面談を重ねた会員の記録が並び、前回の約束の続きが追えるようになる
会員の気持ちをAIの言葉に書き換えさせると失敗する
よくある失敗は次の3つです。
- 気持ちを要約させすぎる。 「迷っている」とまとめると、何に迷っているかが消えます。会員の言葉をそのまま残させます
- AIに性格を書かせる。 「慎重な性格」のような決めつけは、次のカウンセラーの見方をゆがめます。書かせません
- 前回の記録を渡さない。 前回と並べないと、約束の続きが追えません。必ず一緒に渡します
まとめ
- 面談の記録があれば、カウンセラーが替わっても、会員は同じ話をくり返さずに済む
- カウンセラーが決まった項目で短いメモを書き、AIが前回と並べて会員の記録の形に整える
- 会員の言葉はそのまま残し、性格の決めつけや相性の判断はAIに書かせない
- 次の面談の前に、AIが話すことの一覧と前回の約束の続きを作る
- 費用はAIの利用料が1回2円ほどで、紹介する相手の判断はカウンセラーが行う