買取店のネット出品文をAIで下書き|状態はメモのとおり、表示も添える
この記事では、買取店のAI活用|古物台帳の記載漏れを防ぎ、出品と問い合わせを早くするの「ネットの出品は、商品の情報から出品文を下書きする」を、1点ごとに続けられる手順にして説明します。
一言でいうと、担当が、品名と型番と状態のメモを表に書く。AIが、出品文を書き、メモにない良い点は足さない。担当が、実物と写真と照らす。店長が、価格を決め、許可番号などの表示と一緒に載せる。真贋と査定は人が決めるという形です。
経営への効果は、買い取った品を早く載せて回すこと
買取店では、買い取った品が店に並ぶまでの日数が、そのまま在庫の重さになります。ネットに早く載せられれば、店に来ない人にも見てもらえ、売れるまでの日数を縮めやすくなります。
出品文は、1点ずつ書くと時間がかかります。AIで下書きすれば、担当は実物との照らし合わせと写真に時間を使えます。状態を正直に書いた出品文は、届いてからの「思っていたのと違う」を減らし、返品や悪い評価を防ぎます。
古物営業法で、許可の番号などをネットで示す
e-Gov法令検索で古物営業法を確かめると、第12条第2項で、古物商は、氏名または名称、許可をした公安委員会の名称、許可証の番号を、インターネットで公衆が見られるようにすることになっています。事業の規模がとても小さい場合など、国家公安委員会規則で決める場合は除かれます。
表示のしかたは、長野県警察のページ(2020年4月1日更新)で説明されています。
| 決まり | 中身(長野県警察のページより) |
|---|---|
| 表示する場所 | 取り扱う古物を載せた個々のページが原則。トップページへの表示や、表示したページへのリンクをトップページに置く方法も認められる |
| 氏名または名称 | 許可証に書かれたもの。屋号は使えない |
| 複数のサイト | 使うすべてのURLに表示し、公安委員会に届け出る |
古物営業法は改正が続いています。自社の出品先がどの扱いになるかは、営業所のある地域の警察署で確かめてください。2026年10月時点の情報です。
通信販売の広告には、価格や返品の決まりを書く
ネットで売るときは、特定商取引法の通信販売の決まりもかかわります。e-Gov法令検索で確かめると、第11条で、通信販売の広告には次のような事項を書くことになっています。
- 販売価格と送料(送料が価格に含まれない場合)
- 代金の支払の時期と方法
- 商品の引渡しの時期
- 申込みの撤回や契約の解除に関する事項
第15条の3では、買った人は、商品を受け取った日から8日を過ぎるまで、申込みの撤回や契約の解除ができるとされています。ただし、返品についての特約を広告に表示していた場合は、この限りではありません。中古品で「返品は受けない」とするなら、その特約を出品のページにはっきり書いておきます。
今は、出品文を1点ずつ手で書いている
小さな買取店では、出品文を担当が1点ずつ手で書いています。忙しい日は、品名と価格だけを載せて、状態の説明を省いてしまうこともあります。
状態の説明が少ないと、問い合わせが増えます。逆に、似た品の前の文を使い回すと、付属品や傷の書き方が実物と食い違います。
書き出し、AIが下書きし、照らして、載せる
1 書き出す(担当)。 品名、メーカー、型番、状態のメモ、付属品を、出品の表の1行に書きます。
2 下書きする(AI)。 その1行から出品文を書かせます。メモにない良い点は足させません。
3 照らす(担当)。 出品文を実物と写真と照らし、傷や付属品の書き方が合っているかを見ます。
4 載せる(店長)。 価格を決め、許可番号などの表示と、送料や返品の決まりがあるページに載せます。
出品の表は、この7つの欄で作る
| 欄 | 中身の例(想定) |
|---|---|
| 品名とメーカー、型番 | 電気ケトル、〇〇社、型番 〇〇 |
| 状態 | 使用感あり、底に小さな傷 |
| 付属品 | 箱なし、説明書あり |
| 動作の確認 | 通電と湯沸かしを確認済み |
| 写真の枚数と写した場所 | 4枚(正面、底、付属品、傷) |
| 価格と送料 | 店長が決める |
| 返品の扱い | 店の決まりのとおり |
状態の書き方は、店で言葉をそろえておきます。「美品」「使用感あり」「傷あり」などの言葉ごとに、どんな状態を指すかを1枚にまとめておくと、担当によって書き方がぶれません。
AIへの頼み方と、返ってくる出品文はこうなる
AIに渡す指示(見本):
下は、出品の表の1点分です。ネットに載せる出品文を、200字ほどで書いてください。状態、付属品、動作の確認は、表のとおりに書いてください。表にない良い点(「美品」「ほぼ新品」「動作に問題なし」など)は足さないでください。傷や汚れは、表に書いた場所と中身のまま書いてください。価格と送料は書かないでください。
返ってくる出品文(見本の一部。内容は架空です):
〇〇社の電気ケトル(型番 〇〇)です。通電と湯沸かしを確認しました。使用感があり、底に小さな傷があります(写真4枚目)。箱はなく、説明書が付きます。
価格と送料は、店長が決めてから出品のページに入れます。AIに価格を書かせないのは、査定の結果と違う数字が紛れ込むのを防ぐためです。
照らすときは、傷と付属品と動作の書き方を見る
AIの下書きは、渡した表をもとにしています。それでも、言葉を補う中で、表にない中身が混ざることがあります。
- 傷と汚れは、写真と照らす。 書いた場所に写真があるかも確かめます
- 付属品は、実物と照らす。 「あり」と書いた付属品が手元にあるかを見ます
- 動作の確認は、確かめた範囲だけを書く。 確かめていない機能を「問題なし」と書きません
- ブランド品は、真贋を確かめた人が書き方を決める
許可番号と返品の決まりは、ページの決まった場所に置く
出品文そのものとは別に、どのページにも同じ表示が要るものがあります。毎回書くと漏れるので、サイトの決まった場所に置きます。
- 許可番号などの表示は、トップページか各ページの下に置く。 許可証に書かれた名称で書きます
- 送料、支払の方法、引渡しの時期、返品の決まりは、1つのページにまとめる。 出品のページからそのページにリンクします
- 出品先ごとに、表示の場所を確かめる。 自社のサイトのほかに使っている出品先があれば、そこでの表示も確かめます
帳簿の記載の点検は、古物台帳の記載漏れを毎日見つける|伝票と台帳をAIで照らす手順で説明しています。
型をスキルにし、真贋と査定はAIの外で決める
型を Skills にまとめる。 Skills(スキル)は、AIに渡す手順書・見本・道具を1つにまとめたものです。頼まれた内容に合うときにAIが自動で読み込むので、毎回同じ説明をしなくても、AIの働きが安定します。ここでは、「出品文の型」「状態の言葉の決まり」「書いてはいけないこと(表にない良い点、確かめていない動作、価格)」をスキルにします。
真贋と査定は、AIの外で決める。 AIそのもの以外の、指示・道具・点検の仕組みを設計することを、ハーネスエンジニアリングと呼ぶことがあります。ここでは、表にない良い点を足させないこと、担当が実物と写真と照らすこと、価格と真贋を人が決めることがそれに当たります。
費用は、AIの利用料が1点2円ほど
| 費用 | 見込み |
|---|---|
| 出品文の下書き | 表の1行と指示(入力2千トークンほど)から出品文(出力1千トークンほど)を作ると、Claude Sonnet 5.5の料金(入力100万トークンあたり2ドル、出力10ドル、1ドル150円で計算)で1点2円ほど |
| 法人向けプラン | チャットで使うなら1人あたり月数千円 |
| 担当の時間 | 照らし合わせに1点数分(想定) |
必要な人は2役で、価格と真贋は店長が決める
- 担当:出品の表に書き、AIに下書きさせ、実物と写真と照らす
- 店長:価格と真贋を決め、許可番号と返品の決まりの表示を整え、載せる
1か月で表と型ができ、買い取った品から使える見込み
- 1週目:出品の表の7つの欄と、状態の言葉の決まりを作る
- 2週目:在庫の数点でAIに出品文を書かせ、担当が照らす
- 3週目:許可番号と返品の決まりの表示の場所を整え、型をスキルにまとめる
- 4週目以降:買い取った品から使い、問い合わせが多い品の書き方を直す
良い点を足したり、表示を忘れたりすると失敗する
よくある失敗は次の3つです。
- 「美品」と書き足す。 届いてからの返品や悪い評価のもとになります
- 返品の決まりを書かない。 特約を表示していないと、受け取りから8日の撤回のルールがかかります
- 許可番号の表示を忘れる。 出品先を増やしたら、そこでの表示も確かめます
まとめ
- 古物営業法第12条で、氏名または名称、許可をした公安委員会の名称、許可証の番号をネットで示す
- 表示は古物を載せたページが原則で、トップページへの表示やリンクも認められ、名称は許可証のとおりに書く
- 特定商取引法第11条で、通信販売の広告に価格と送料、支払、引渡し、返品の決まりなどを書く
- AIは出品の表の1行から出品文を書き、表にない良い点は足さない
- 担当が実物と写真と照らし、価格と真贋は店長が決める