整骨院の予約と問い合わせの返事|受付表からAIで下書きし、骨折かもは院長へ
この記事で変わる経営指標
この記事では、整骨院・接骨院のAI活用|広告の決まりを守り、受付と書類の事務を減らすの「予約と問い合わせの返事は、受付表と空き枠から下書きする」を、毎日続けられる手順にして説明します。
一言でいうと、院長が、受付表とよくある質問の答えを1枚にする。AIが、空き枠と答えにあることだけで返事を下書きする。受付が、時間を表と照らし、けがの相談がまじっていないかを見る。受付が送り、骨折や脱臼かもしれない相談は院長に回す。施術してよいかの判断は院長が決めるという形です。
経営への効果は、予約を取りこぼさず、初めての患者を迎えること
整骨院・接骨院への問い合わせは、空いている時間、初めての来院の流れ、保険が使えるか、駐車場など、同じ内容がくり返されます。施術中は電話にもメッセージにも出られず、返事は昼休みや夜にまとめて書くことになりがちです。
けがをした人は、その日のうちに診てもらえる院を探しています。返事が遅いと、ほかの院に行ってしまいます。受付表からAIで返事を下書きできれば、施術の合間の数分で確かめて送れます。早く返事が届けば、初めての患者の来院につながりやすくなります。
柔道整復師法で、骨折と脱臼は医師の同意がいる
e-Gov法令検索で柔道整復師法を確かめると、施術の範囲にかかわる決まりがあります。
| 決まり | 中身 |
|---|---|
| 第16条 | 柔道整復師は、外科手術を行ったり、薬品を投与したり、その指示をしたりしてはならない |
| 第17条 | 柔道整復師は、医師の同意を得た場合のほか、脱臼または骨折の患部に施術をしてはならない。ただし、応急手当をする場合は、この限りでない |
問い合わせには「転んで手首が腫れている」「骨が折れているかもしれない」といった相談がまじります。AIが「すぐにお越しください、施術できます」と返すと、医師の同意がいる骨折や脱臼を、院が引き受けるような返事になりかねません。骨折や脱臼かもしれない相談は、AIに答えさせず、院長が電話で話を聞いて判断します。2026年10月時点の情報です。
保険が使えるかは、返事の文で決めつけない
厚生労働省の案内によると、整骨院や接骨院で保険の対象になるのは、骨折、脱臼、打撲、捻挫(いわゆる肉ばなれを含む)の施術です。骨折と脱臼は、緊急の場合を除き、あらかじめ医師の同意が必要です。単なる肩こりや筋肉の疲れは対象外で、全額が自己負担になります。協会けんぽも、慰安が目的の施術、仕事中や通勤途中のけが、病院で同じけがを治療中の場合などを、保険の対象にならない例として挙げています。
「保険は使えますか」という問い合わせに、AIが「使えます」と答えるのは危険です。保険の対象になるかは、来院したときに院長がけがの状態を見て判断します。返事では「来院の際に、保険の対象になるかを柔道整復師がご説明します」と書きます。保険の説明の紙の作り方は、整骨院の保険の説明の紙|院長の箇条からAIで1枚にし、初診で渡すで説明しています。
今は、施術の合間に受付が一から返事を書いている
小さな院では、受付の担当か院長自身が、施術の合間に予約や問い合わせに一から返事を書いています。担当によって書き方が違い、空き時間の書き間違いや、保険について言い過ぎてしまうこともあります。
受付表とよくある質問の答えを1枚にし、AIで返事を下書きすれば、誰が受けても同じ返事を早く出せます。
そろえ、AIが下書きし、確かめて、送る
1 そろえる(院長)。 施術の時間、休みの日、予約の取り方、初めての来院の流れ、よくある質問の答えを、受付の決まりとして1枚にします。
2 下書きする(AI)。 届いた問い合わせと受付の決まり、その週の空き枠を渡し、返事を下書きしてもらいます。
3 確かめる(受付)。 時間を予約の表と照らし、けがの相談や保険の言い過ぎがないかを見ます。
4 送る(受付)。 送って、骨折や脱臼かもしれない相談は、すぐに院長に回します。
受付の決まりは、この6つの欄でそろえる
| 欄 | 中身の例(想定) |
|---|---|
| 施術の時間と休みの日 | 午前と午後の時間、休みの曜日 |
| 予約の取り方 | 電話、ウェブ、当日の受付 |
| 初めての来院の流れ | 受付で問診票、けがをした日と場所を聞く、保険証かマイナ保険証 |
| 保険についての答え | 「来院の際に、対象になるかを柔道整復師がご説明します」 |
| 駐車場と道順 | 台数、近くの目印 |
| けがの相談を受けたとき | 「院長からお電話します」と案内する |
空き枠は、この決まりに入れません。その週の予約の表から受付が書き出し、AIに渡します。
AIへの頼み方と、返ってくる返事はこうなる
AIに渡す指示(見本):
下は、整骨院への問い合わせと、受付の決まりと、今週の空き枠です。返事を下書きしてください。空き枠は表にある時間だけを示してください。決まりにないことは「受付から改めてお知らせします」と書いてください。保険が使えるかは答えず、決まりの文をそのまま使ってください。けがの状態についての相談には答えず、「院長からお電話します」と書いてください。症状が良くなるといった約束や、施術の内容の説明は書かないでください。
返ってくる返事(見本の一部。内容は架空です):
お問い合わせありがとうございます。今週は、〇日の〇時と〇時にご予約をお取りできます。初めてのご来院の際は、保険証かマイナ保険証をお持ちください。保険の対象になるかは、来院の際に柔道整復師がご説明します。
確かめるときは、けがの相談と保険の言い過ぎを見る
AIの下書きは、渡した問い合わせと決まりをもとにしています。それでも、言葉を補う中で、決まりにない中身が混ざることがあります。
- けがの相談がまじっていないかを見る。 「腫れている」「動かせない」「折れたかも」などの言葉があれば、院長に回します
- 保険が使えると決めつけていないかを見る
- 「良くなります」「治ります」のような約束がないかを見る
- 空き時間を予約の表と照らす。 返事を送る前に、ほかの予約が入っていないかを確かめます
骨折かもしれない相談は、院長が電話で聞く
問い合わせの中に、骨折や脱臼かもしれない相談があったら、AIの文では答えません。
- 受付が気づいたら、すぐに院長に伝える
- 院長が電話で話を聞く。 けがをしたときの様子、腫れや痛みの具合を聞き、来院してもらうか、先に医療機関で診てもらうよう勧めるかを判断します
- 休みの日や夜の問い合わせには、決まった案内を返す。 院長が決めた文を型に入れておき、急ぐときの連絡先も添えます
応急手当のあとに医療機関を勧める場合も、その判断は院長が行います。受付やAIが「病院に行ってください」「うちで大丈夫です」と決めることはしません。
よくある質問は、月に1回まとめて型を直す
返事を続けていると、同じ質問がくり返し届きます。それは、受付の決まりやホームページの書き方を直す手がかりです。
- 受付が、届いた質問を種類ごとに数える。 空き時間、保険、駐車場、初めての来院などに分けます
- 多い質問の答えを、受付の決まりに足す。 答えは院長が決めます
- ホームページに載せるときは、広告の決まりと照らす。 院のホームページは原則として広告に当たりませんが、国の指針で載せるべきでない表現が示されています
広告文の点検の仕方は、親記事の「広告文の点検は、書ける事項の表で行う」で説明しています。
型をスキルにし、施術の判断はAIの外に置く
型を Skills にまとめる。 Skills(スキル)は、AIに渡す手順書・見本・道具を1つにまとめたものです。頼まれた内容に合うときにAIが自動で読み込むので、毎回同じ説明をしなくても、AIの働きが安定します。ここでは、「受付の決まりの6つの欄」「返事の型」「書いてはいけないこと(けがの状態への答え、保険が使えるという決めつけ、効き目の約束、表にない空き時間、患者の名前)」をスキルにします。
施術の判断は、AIの外に置く。 AIそのもの以外の、指示・道具・点検の仕組みを設計することを、ハーネスエンジニアリングと呼ぶことがあります。ここでは、受付が空き枠を予約の表から書き出すこと、けがの相談を見つけて院長に回すこと、骨折や脱臼かもしれないときに院長が電話で判断することがそれに当たります。
費用は、AIの利用料が1件2円ほど
| 費用 | 見込み |
|---|---|
| 返事の下書き | 問い合わせと決まりと空き枠と指示(入力2千トークンほど)から返事(出力1千トークンほど)を作ると、Claude Sonnet 5.5の料金(入力100万トークンあたり2ドル、出力10ドル、1ドル150円で計算)で1件2円ほど |
| 法人向けプラン | チャットで使うなら1人あたり月数千円 |
| 受付の時間 | 確かめて送るのに1件数分(想定) |
必要な人は2役で、施術の判断は院長が行う
- 院長(柔道整復師):受付の決まりを作り、けがの相談を電話で聞き、施術してよいかと保険の対象かを判断する
- 受付:空き枠を書き出してAIに返事を下書きさせ、けがの相談がないかを確かめて送り、相談を院長に回す
受付がいない院では、院長が両方を受け持ちます。患者の名前や連絡先は、AIに渡さずに返事に入れます。
2週間で決まりと型ができ、次の問い合わせから使える見込み
- 1週目:受付の決まりの6つの欄を1枚にする
- 1週目:最近の問い合わせの数件でAIに返事を下書きさせ、受付が確かめる
- 2週目:型と書いてはいけないことをスキルにまとめ、休みの日と夜の案内を決める
- 3週目以降:届いた問い合わせから使い、初めての患者の来院につながった数を数える
けがの相談に文で答えると失敗する
よくある失敗は次の3つです。
- 「すぐ来てください、施術できます」と返す。 骨折や脱臼かもしれないけがは、医師の同意がいります
- 「保険が使えます」と書く。 対象になるかは、来院のときに院長が判断します
- 空き枠をAIに考えさせる。 予約の表と違う時間を伝えてしまいます
まとめ
- 柔道整復師法第17条で、医師の同意を得た場合のほか、応急手当を除き、脱臼や骨折の患部に施術をしてはならない
- 保険の対象は骨折、脱臼、打撲、捻挫で、単なる肩こりや筋肉の疲れは対象外。返事の文で保険が使えると決めつけない
- 院長が受付の決まりを6つの欄で1枚にし、AIが空き枠と決まりにあることだけで返事を下書きする
- 受付が時間を予約の表と照らし、けがの相談を見つけたら院長に回す
- 骨折や脱臼かもしれない相談は、院長が電話で聞いて判断する