英会話教室の体験の申込みへの返事|料金表からAIで下書きし、約束はしない
この記事では、英会話教室のAI活用|レッスンの記録と報告で生徒に続けてもらうの「体験の申込みには、空き枠と料金表から返事を下書きする」を、毎日続けられる手順にして説明します。
一言でいうと、代表が、料金表とよくある質問を表にする。AIが、料金表と空き枠から返事を下書きする。代表が、空き枠と約束の言葉を照らす。代表が送り、契約の前には概要書面を渡す。入会するかは生徒が決めるという形です。
経営への効果は、体験の申込みを取りこぼさず、入会につなげること
英会話教室の体験の申込みや問い合わせは、仕事や学校が終わった夜に届くことが多いものです。代表がレッスン中だと返事が翌日になり、その間にほかの教室の体験に申し込まれてしまいます。
料金表と空き枠からAIで返事を下書きできれば、レッスンの合間の数分で送れます。返事が早く、料金や流れが分かりやすい教室は、体験に来てもらいやすく、入会にもつながりやすくなります。
語学教室の契約は、特定商取引法の決まりがかかる
消費者庁の特定商取引法ガイドによると、期間が2か月を超え、金額が5万円を超える語学教室の契約は「特定継続的役務提供」にあたります。e-Gov法令検索で確かめると、次の決まりがあります。
| 決まり | 中身 |
|---|---|
| 第42条第1項 | 契約を結ぶまでに、概要書面を渡す |
| 第43条 | サービスの内容や効果について、事実と大きく違う表示や、実際よりよく見せる表示をしてはならない |
| 第44条 | 勧誘のときに、サービスの内容や効果、料金、期間、解約のことなどについて事実と違うことを告げてはならない。故意に事実を告げないことや、威迫して困惑させることも禁止 |
京都府消費生活安全センターの案内では、契約書面を受け取ってから8日以内はクーリング・オフができ、それを過ぎても中途解約ができると説明されています。体験の申込みへの返事も、この決まりを守る前提で書きます。2026年10月時点の情報です。
返事では、上達の約束をしない
体験の申込みには、「3か月で話せるようになりますか」「TOEICの点は上がりますか」といった質問がまじります。AIは、相手を安心させようとして「〇か月で話せるようになります」のような約束を足すことがあります。
上達の早さは、生徒の学び方や通う回数で変わります。効果を約束する返事は、第43条や第44条に触れるおそれがあります。返事では、レッスンの内容と進め方を伝え、どのくらいで上達するかは「体験のときに、目標に合わせてご相談します」と書きます。
今は、レッスンの合間に代表が一から返事を書いている
小さな英会話教室では、代表が講師も兼ねていて、レッスンの合間に返事を書いています。料金の書き間違いや、空いていない時間を案内してしまうこともあります。
料金表とよくある質問を表にし、AIで返事を下書きすれば、代表は空き枠を確かめて送るだけで済みます。
そろえ、AIが下書きし、確かめて、送る
1 そろえる(代表)。 入学金、月謝やコースの料金、教材費、体験の料金、よくある質問の答えを表にします。
2 下書きする(AI)。 届いた申込みと、料金表、その週の空き枠を渡し、返事を下書きしてもらいます。
3 確かめる(代表)。 空き枠を予約の台帳と照らし、約束の言葉がないかを見ます。
4 送る(代表)。 送ります。体験のあと入会の話になったら、契約の前に概要書面を渡します。
料金表とよくある質問は、この6つの欄でそろえる
| 欄 | 中身の例(想定) |
|---|---|
| 体験レッスン | 料金、時間、持ち物 |
| 入学金と月謝 | コースごとの金額 |
| 教材費 | 金額と、要るかどうか |
| レベルの目安 | 初めての方から上級まで、クラスの分け方 |
| 振替の決まり | 休んだときの扱い |
| 上達についての答え | 「目標に合わせて体験のときにご相談します」 |
空き枠は、この表に入れません。その週の予約の台帳から代表が書き出し、AIに渡します。
AIへの頼み方と、返ってくる返事はこうなる
AIに渡す指示(見本):
下は、英会話教室への体験レッスンの申込みと、料金表とよくある質問の表、今週の空き枠です。返事を下書きしてください。料金と空き枠は表にあるものだけを書いてください。「〇か月で話せるようになります」「必ず点数が上がります」のような約束は書かないでください。上達についての質問には、表の答えを使ってください。入会を急がせる言葉は書かないでください。申込者の名前は「〇〇様」と空けてください。
返ってくる返事(見本の一部。内容は架空です):
〇〇様 体験レッスンのお申込みありがとうございます。今週は〇日の〇時と〇時にご案内できます。体験レッスンは〇分で、料金は〇円です。目標や今のレベルをお聞きしながら、合うクラスを一緒に考えます。
確かめるときは、約束と急がせる言葉と料金を見る
AIの下書きは、渡した表をもとにしています。それでも、言葉を補う中で、表にない中身が混ざることがあります。
- 上達や点数の約束がないかを見る
- 「今月中の入会で割引」のような、急がせる言葉がないかを見る。 表にない割引は書きません
- 料金を料金表と照らす
- 空き枠を予約の台帳と照らす
体験のあとの入会の話は、概要書面を渡してから
体験のあと、入会の話になったら、契約の前に概要書面を渡します。入会を決めたら、契約書面を渡します。
- 概要書面と契約書面の記載事項は、消費者庁のガイドで確かめる
- 体験の当日に、その場で決めるよう迫らない。 第44条では、威迫して困惑させることが禁止されています
- 持ち帰って考えたいという人には、資料を渡して返事を待つ
レッスンの記録から月の報告を作る方法は、英会話教室の月の報告の作り方|講師のメモから進み具合を伝えるで説明しています。
ホームページやSNSの文も、同じ線で書く
第43条は、広告で効果を大げさに見せることを禁じる決まりです。返事だけでなく、ホームページやSNSで体験を案内する文も、同じ線で書きます。
- 「誰でも〇か月で話せる」のような言葉を使わない
- 生徒の声を載せるときは、本人の了解を得て、言った言葉のまま載せる
- 返事の型と広告の文で、書いてはいけないことの一覧をそろえる
型をスキルにし、入会の判断はAIの外に置く
型を Skills にまとめる。 Skills(スキル)は、AIに渡す手順書・見本・道具を1つにまとめたものです。頼まれた内容に合うときにAIが自動で読み込むので、毎回同じ説明をしなくても、AIの働きが安定します。ここでは、「料金表とよくある質問の6つの欄」「返事の型」「書いてはいけないこと(上達や点数の約束、急がせる言葉、表にない割引、申込者の名前)」をスキルにします。
入会の判断は、AIの外に置く。 AIそのもの以外の、指示・道具・点検の仕組みを設計することを、ハーネスエンジニアリングと呼ぶことがあります。ここでは、代表が空き枠を台帳で確かめること、約束の言葉がないかを見ること、契約の前に概要書面を渡し、入会するかを生徒に任せることがそれに当たります。
費用は、AIの利用料が1件2円ほど
| 費用 | 見込み |
|---|---|
| 返事の下書き | 申込みと表と空き枠と指示(入力2千トークンほど)から返事(出力1千トークンほど)を作ると、Claude Sonnet 5.5の料金(入力100万トークンあたり2ドル、出力10ドル、1ドル150円で計算)で1件2円ほど |
| 法人向けプラン | チャットで使うなら1人あたり月数千円 |
| 代表の時間 | 確かめて送るのに1件数分(想定) |
必要な人は1役で、入会は生徒が決める
- 代表:料金表とよくある質問を作り、AIに返事を下書きさせ、空き枠と約束の言葉を確かめて送り、入会の話では概要書面を渡す
受付のスタッフがいる教室では、下書きと空き枠の書き出しをスタッフに任せ、送る前に代表が確かめます。
2週間で表と型ができ、次の申込みから使える見込み
- 1週目:料金表とよくある質問の6つの欄を表にする
- 1週目:最近の申込みの数件でAIに返事を下書きさせ、代表が確かめる
- 2週目:型と書いてはいけないことをスキルにまとめる
- 3週目以降:届いた申込みから使い、体験に来た数と入会した数を数える
上達を約束すると失敗する
よくある失敗は次の3つです。
- 「3か月で話せます」と書く。 効果の約束は、特定商取引法に触れるおそれがあり、生徒の期待ともずれます
- 表にない割引で入会を急がせる。 あとで「聞いていた話と違う」ともめます
- 体験の当日に契約を迫る。 威迫して困惑させる勧誘は禁止されています
まとめ
- 期間2か月超・金額5万円超の語学教室の契約は特定商取引法の対象で、契約の前に概要書面を渡す
- 第43条と第44条で、効果の誇大な表示、事実と違う説明、威迫して困惑させることが禁止されている
- 代表が料金表とよくある質問を6つの欄で表にし、AIが料金表と空き枠から返事を下書きする
- 返事では上達や点数を約束せず、急がせる言葉を入れない
- 体験のあと入会の話になったら概要書面を渡し、入会するかは生徒に任せる