中古車の納車後の案内|点検と車検の時期を表で出し、AIで文を下書き
この記事では、中古車販売店のAI活用|支払総額の表示を守り、問い合わせと見積を早くするの「納車後の案内は、点検と車検の時期から下書きする」を、毎月続けられる手順にして説明します。
一言でいうと、営業が、売った車の表に納車日と車検の満了日を書く。AIが、名前と日付を差し込める案内の型を作る。担当が、表の式で翌月に時期が来るお客さまを出す。営業が日付を照らし、断られた人を外して送る。時期の計算は表の式で行うという形です。
経営への効果は、売ったあとも店を思い出してもらうこと
中古車は、売って終わりにすると、次に車を買い替えるときにお客さまがほかの店に行ってしまいます。点検や車検の時期に案内が届けば、お客さまは店を思い出します。
点検や車検を自社で受けられれば、その売上も入ります。自社で整備をしていなくても、提携先の工場を案内すれば、お客さまの手間が減り、店への信頼が増します。次の買い替えの相談も、まず店に来てもらいやすくなります。
道路運送車両法で、点検と車検の時期が決まっている
e-Gov法令検索で道路運送車両法を確かめると、次の決まりがあります。
| 決まり | 中身 |
|---|---|
| 第48条(定期点検整備) | 使用者は、事業用の自動車などは3か月ごと、貸渡しの自家用自動車などは6か月ごと、それ以外の自動車は1年ごとに点検しなければならない |
| 第61条(自動車検査証の有効期間) | 旅客や貨物の運送に使う自動車などは1年、その他の自動車は2年。初めて交付する場合、自家用乗用自動車などは3年 |
点検をするのは車の使用者、つまりお客さまです。店は、その時期を知らせることで、お客さまが決まりを守る手助けができます。中古車の場合、車検の満了の日は車ごとに違うので、納車のときに自動車検査証で確かめて表に書きます。軽自動車など、車の種類によって決まりが違うものもあるので、細かな扱いは車ごとに確かめます。2026年10月時点の情報です。
時期の計算は表の式で行い、AIには任せない
案内で一番大事なのは、日付が正しいことです。点検の時期や車検の満了の日をAIに計算させると、読み違いや計算違いがあっても気づけません。
日付は、売った車の表に書いた納車日と車検の満了の日から、表計算の式で出します。AIに頼むのは、式を作ることと、案内の文の型を作ることです。
今は、営業が覚えている人にだけ連絡している
小さな店では、営業が覚えているお客さまにだけ、車検の前に電話をかけていることが多いものです。売った台数が増えると、連絡の抜けが出ます。
売った車の表を作り、翌月に時期が来る人を式で出せば、全員に漏れなく案内できます。文の型をAIで作っておけば、送る手間も小さくなります。
書き、AIが下書きし、出して、送る
1 書く(営業)。 納車のときに、売った車の表に、納車日、車検の満了の日、連絡の方法と案内を受け取るかを書きます。
2 下書きする(AI)。 店の名前と案内に書くことを渡し、名前と日付を差し込める案内の型を作ってもらいます。
3 出す(担当)。 毎月、表の式で、翌月に点検や車検の時期が来るお客さまを出します。
4 送る(営業)。 日付を表と照らし、案内を断られた人を外して送ります。
売った車の表は、この6つの欄でそろえる
| 欄 | 中身の例(想定) |
|---|---|
| お客さまの番号 | 名前と連絡先は顧客の台帳で番号とつなぐ |
| 車の種類 | 自家用の乗用車、軽自動車など |
| 納車日 | 〇年〇月〇日 |
| 車検の満了の日 | 自動車検査証のとおり |
| 案内を受け取るか | 受け取る・受け取らない、方法(はがき、メール、メッセージ) |
| 断られた日 | 断られたら日付を書き、以後は送らない |
点検の時期は、納車日から1年ごとの目安として式で出します。前回の点検の日が分かれば、その日から出します。
AIへの頼み方と、返ってくる案内はこうなる
AIに渡す指示(見本):
中古車販売店から、車を買ってくださったお客さまに送る、車検の時期の案内の型を作ってください。お客さまの名前は「〇〇様」、車検の満了の日は「〇年〇月〇日」と空けてください。短く、やわらかい言葉にしてください。値引きや「必ずお得」のような言葉は書かないでください。最後に店の名前と電話番号、案内を止めたいときの連絡先を書く欄を入れてください。
返ってくる案内(見本。内容は架空です):
〇〇様 いつもご利用ありがとうございます。お車の車検の満了日は〇年〇月〇日です。車検のご予約やご相談は、お電話でお気軽にどうぞ。 (店の名前・電話番号) 案内が不要な方は、こちらまでお知らせいただければ止めます:(連絡先)
確かめるときは、日付と約束と止め方を見る
AIの型は、渡した指示をもとにしています。それでも、言葉を補う中で、指示にない中身が混ざることがあります。
- 差し込んだ日付を、表と自動車検査証の写しで照らす
- 値引きや料金の約束がないかを見る。 料金を書く場合は、店の料金表から人が入れます
- 「車検が切れると危険です」のような脅す言い方がないかを見る
- 店の名前と、案内を止める連絡先が入っているかを見る
メールで送るときは、特定電子メール法の表示を入れる
案内に車検の受付などの宣伝が入る場合、メールやショートメッセージで送ると、特定電子メール法がかかわります。e-Gov法令検索で確かめると、第3条で、取引関係にある人などには送れますが、送らないでほしいと言われたら以後は送れません。第4条で、送る人の名前と受け取りを断るための連絡先を表示することになっています。
- 納車のときに、案内を受け取るかと方法を聞いておく
- 断られたら、表に日付を書いて以後は送らない
掲載文と見積の点検は、中古車の見積書は出す前に点検|支払総額と費用の項目をAIで照らすで説明しています。
自社で整備しない店は、提携先の工場の案内を決めておく
自社で点検や車検を受けられない店では、案内に提携先の工場を書きます。
- 提携先の工場の名前、電話番号、受付の時間を、型に入れておく
- 案内を送る前に、提携先と受け入れの段取りを決めておく。 お客さまが電話したのに話が通っていない、ということを防ぎます
- 提携先から、点検や車検を受けたお客さまの数を教えてもらう。 案内の効き目を確かめる材料になります
整備工場でのAIの使い方は、自動車整備工場のAI活用|整備士の事務を減らす4つの業務と始め方で説明しています。
型をスキルにし、日付の計算はAIの外に置く
型を Skills にまとめる。 Skills(スキル)は、AIに渡す手順書・見本・道具を1つにまとめたものです。頼まれた内容に合うときにAIが自動で読み込むので、毎回同じ説明をしなくても、AIの働きが安定します。ここでは、「売った車の表の6つの欄」「点検と車検の案内の型」「書いてはいけないこと(値引きの約束、脅す言い方、お客さまの名前)」をスキルにします。
日付の計算は、AIの外に置く。 AIそのもの以外の、指示・道具・点検の仕組みを設計することを、ハーネスエンジニアリングと呼ぶことがあります。ここでは、時期を表の式で出すこと、営業が日付を照らすこと、断られた人を外してから送ることがそれに当たります。
費用は、AIの利用料が型1つ2円ほど
| 費用 | 見込み |
|---|---|
| 案内の型の下書き | 指示(入力2千トークンほど)から型(出力1千トークンほど)を作ると、Claude Sonnet 5.5の料金(入力100万トークンあたり2ドル、出力10ドル、1ドル150円で計算)で1回2円ほど。型は使い回せる |
| 法人向けプラン | チャットで使うなら1人あたり月数千円 |
| 担当と営業の時間 | 毎月の抽出と確かめに数十分(想定) |
必要な人は2役で、送るかは営業が決める
- 営業:納車のときに表を書き、案内を受け取るかを聞き、日付を照らして送る
- 事務の担当:毎月、式で時期が来る人を出し、営業に渡す
1か月で表と型ができ、翌月から送れる見込み
- 1週目:売った車の表の6つの欄を作り、これまでに売った車を書き写す
- 2週目:AIに時期を出す式と案内の型を作らせ、営業が確かめる
- 3週目:納車のときに案内を受け取るかを聞く決まりを作る
- 翌月から:毎月、時期が来る人に送り、車検や点検の予約につながった数を数える
日付をAIに出させると失敗する
よくある失敗は次の3つです。
- 車検の満了の日をAIに計算させる。 1日違いでも、お客さまに迷惑をかけます
- 断られた人にも送り続ける。 メールでは特定電子メール法に触れるおそれがあります
- 脅す言い方で案内する。 店への信頼を損ねます
まとめ
- 道路運送車両法第48条で、自家用の乗用車などは使用者が1年ごとに定期点検をする
- 第61条で、自動車検査証の有効期間はその他の自動車で2年、自家用乗用自動車の初回は3年
- 時期は売った車の表から式で出し、AIは名前と日付を差し込める案内の型を作る
- 営業が日付を照らし、値引きの約束や脅す言い方がないかを確かめて送る
- メールで送るときは、店の名前と受け取りを断る連絡先を表示し、断られたら止める