鍼灸院の次回の案内|施術者が決めた間隔でAIが文を作り、同意した人に送る
この記事で変わる経営指標
この記事では、鍼灸院のAI活用|施術のあとの説明と次回の案内で通い続けてもらうの「次回の案内は、施術者が決めた間隔で送る」を、毎週続けられる手順にして説明します。
一言でいうと、施術者が、患者さんごとに次の来院の目安を決める。AIが、名前と日付を差し込める案内の型を作る。施術者が、効き目や割引の言葉がないかを見る。受付が、案内を受け取ることに同意した人に送り、断られたら止める。来院するかは患者さんが決めるという形です。
経営への効果は、来院の間隔が空きすぎる前に声をかけること
はりやきゅうは、何回か続けて通うことを施術者が勧める場合があります。ところが、患者さんは仕事や家のことで忙しくなると、次の予約を取らないまま日にちが過ぎてしまいます。
施術者が決めた目安のころに短い案内が届けば、患者さんは予約を思い出せます。小さな施術所の売上は、通い続けてくれる患者さんに支えられています。案内を手で一通ずつ書くのは大変ですが、型をAIで作れば、受付が名前と日付を入れて送るだけになります。
特定電子メール法で、広告や宣伝のメールは送れる相手が決まっている
e-Gov法令検索で特定電子メール法を確かめると、広告や宣伝のためのメール(特定電子メール)について決まりがあります。総務省と消費者庁の案内では、ショートメッセージも対象とされています。
| 決まり | 中身 |
|---|---|
| 第3条第1項 | あらかじめ送ることに同意した人、取引関係にある人などを除いて、特定電子メールを送ってはならない |
| 第3条第2項 | 同意を受けたら、そのことを示す記録を残す |
| 第3条第3項 | 送らないでほしいと言われたら、それ以降は送ってはならない |
| 第4条 | 送る人の名前(施術所の名前)と、受け取りを断るための連絡先などを表示する |
次回の来院の案内が宣伝にあたるかは、書き方によって変わります。迷わないように、初めて来院したときに案内を受け取るかを聞き、同意した人にだけ送る形にしておきます。2026年10月時点の情報です。
案内の文も、広く出すとあはき法の広告になる
あはき法第7条では、施術所が広告できる事項が限られており、施術者の技能や施術方法、経歴は広告できません。大田区のページでは、あはき・柔整広告ガイドラインを守るよう求めています。
一人ひとりに送る案内でも、同じ文をSNSに載せたり、不特定の人に配ったりすると、広告として扱われることがあります。案内の型には、「肩こりが治ります」のような効き目の言葉や、割引の言葉を入れません。SNSやチラシの文の点検は、鍼灸院のSNSとチラシをAIで下書き|あはき・柔整広告ガイドラインで照らすで説明しています。
今は、気になった患者さんにだけ声をかけている
小さな施術所では、施術者が覚えている患者さんにだけ、次に来たときに声をかけたり、たまに電話したりしています。間が空いた患者さんに気づくのは、しばらくたってからです。
前回の来院日と施術者が決めた目安を表にしておけば、案内を送る時期が来た人を毎週出せます。文の型をAIで作っておけば、送る手間も小さくなります。
決め、AIが下書きし、確かめて、送る
1 決める(施術者)。 施術のあと、患者さんごとに次の来院の目安を決め、施術録に書きます。
2 下書きする(AI)。 施術所の名前と、案内に書くことを渡し、名前と日付を差し込める案内の型を作ってもらいます。
3 確かめる(施術者)。 効き目や割引の言葉、体の具合を決めつける言葉がないかを見ます。
4 送る(受付)。 毎週、目安の日が近い患者さんを表から出し、同意した人にだけ送ります。断られたら、その人には送りません。
案内の一覧は、この5つの欄でそろえる
| 欄 | 中身の例(想定) |
|---|---|
| 患者さんの番号 | 名前は表の外で番号とつなぐ |
| 前回の来院日 | 〇月〇日 |
| 施術者が決めた目安 | 2週間後、1か月後など |
| 案内を受け取る同意 | 同意した日と、メールかショートメッセージか |
| 断られた日 | 断られたら日付を書き、以後は送らない |
目安の日が近い人は、表計算で出します。AIに日付の計算はさせません。
AIへの頼み方と、返ってくる案内はこうなる
AIに渡す指示(見本):
鍼灸院から患者さんに送る、次回の来院の案内の型を作ってください。短く、やわらかい言葉にしてください。患者さんの名前は「〇〇様」、前回の来院日は「〇月〇日」と空けてください。効き目の言葉、割引の言葉、体の具合を決めつける言葉は書かないでください。最後に施術所の名前と電話番号、案内を止めたいときの連絡先を書く欄を入れてください。
返ってくる案内(見本。内容は架空です):
〇〇様 〇月〇日はご来院ありがとうございました。施術者とお話しした次回の目安が近づいてまいりました。ご都合のよい日があれば、お電話かウェブでご予約ください。 (施術所の名前・電話番号) 案内が不要な方は、こちらまでお知らせいただければ止めます:(連絡先)
確かめるときは、効き目と割引と止め方を見る
AIの型は、渡した指示をもとにしています。それでも、言葉を補う中で、指示にない中身が混ざることがあります。
- 効き目の言葉がないかを見る。 「続けると良くなります」なども消します
- 割引や特典の言葉がないかを見る
- 体の具合を決めつけていないかを見る。 「そろそろ痛みが戻るころです」のような文は書きません
- 施術所の名前と、案内を止める連絡先が入っているかを見る
同意は、初めての来院のときに紙で聞く
同意は、あとから聞くより、初めての来院のときに聞くほうが自然です。
- 問診票に、案内を受け取るかの欄を足す。 「次回の来院の目安が近づいたら、メールかショートメッセージでお知らせしてよいですか」と書き、はい・いいえに印を付けてもらいます
- 受け取る方法も書いてもらう。 メールアドレスか電話番号かを選んでもらいます
- 紙は施術録と一緒に保管する。 同意を示す記録として残します
断られたら止め、同意の記録を残す
案内を送り続けると、「もう送らなくていい」と言われることがあります。そのときは、すぐに止めます。
- 断られた日を一覧に書き、以後は送らない
- 同意を受けた日と方法を、一覧に残す
- しばらく来院がない人に、何度も送らない。 送る回数の上限は、院長が決めます
施術のあとに渡す過ごし方の紙は、鍼灸院の施術後の過ごし方の紙|施術者の中身からAIで1枚に、薬の話は書かないで説明しています。
型をスキルにし、来院の目安はAIの外に置く
型を Skills にまとめる。 Skills(スキル)は、AIに渡す手順書・見本・道具を1つにまとめたものです。頼まれた内容に合うときにAIが自動で読み込むので、毎回同じ説明をしなくても、AIの働きが安定します。ここでは、「案内の型」「一覧の5つの欄」「書いてはいけないこと(効き目、割引、体の具合の決めつけ、患者さんの名前)」をスキルにします。
来院の目安は、AIの外に置く。 AIそのもの以外の、指示・道具・点検の仕組みを設計することを、ハーネスエンジニアリングと呼ぶことがあります。ここでは、施術者が目安を決めること、表計算で送る人を出すこと、受付が同意と断りを一覧で確かめてから送ることがそれに当たります。
費用は、AIの利用料が型1つ2円ほど
| 費用 | 見込み |
|---|---|
| 案内の型の下書き | 指示(入力2千トークンほど)から型(出力1千トークンほど)を作ると、Claude Sonnet 5.5の料金(入力100万トークンあたり2ドル、出力10ドル、1ドル150円で計算)で1回2円ほど。型は使い回せる |
| 法人向けプラン | チャットで使うなら1人あたり月数千円 |
| 受付の時間 | 一覧から出して送るのに1人数分(想定) |
必要な人は2役で、来院の目安は施術者が決める
- 施術者(院長):患者さんごとに来院の目安を決め、型を確かめ、送る回数の上限を決める
- 受付:一覧から送る人を出し、同意と断りを確かめて送り、断りを記録する
受付がいない施術所では、院長が両方を受け持ちます。
1か月で一覧と型ができ、毎週送れる見込み
- 1週目:一覧の5つの欄を作り、初めての患者さんに案内の同意を聞き始める
- 2週目:案内の型をAIに作らせ、施術者が確かめる
- 3週目:型と書いてはいけないことをスキルにまとめる
- 4週目以降:毎週、目安の日が近い人に送り、案内から予約につながった数を数える
同意を聞かずに送ると失敗する
よくある失敗は次の3つです。
- 同意を聞かずに全員に送る。 宣伝にあたる案内なら、特定電子メール法に触れるおそれがあります
- 「続けると治ります」と書く。 効き目の約束は、広告の決まりにも、患者さんの期待にもそぐいません
- 断られたあとも送る。 送らないでほしいと言われたら、それ以降は送れません
まとめ
- 特定電子メール法で、広告や宣伝のメールは、同意した人など決まった相手にだけ送れ、断られたら止める
- 送る人の名前と、受け取りを断るための連絡先を表示する
- 施術者が患者さんごとに来院の目安を決め、AIは名前と日付を差し込める型を作る
- 効き目や割引の言葉を入れず、同じ文を不特定の人に出すときはあはき法の広告の決まりと照らす
- 受付が一覧で同意と断りを確かめてから送る